30歳を過ぎると、日常的に腰の痛みを感じる機会が増えてきます。「病院に行くほどでもないし……」と放置しているとどんどん痛くなって、ひどい場合はぎっくり腰や椎間板ヘルニアを発症してしまうことも。
腰は体の中心なので、痛みが慢性化してしまうと大変です。
早めの対処で痛みを和らげ、後に引きずらないようにしましょう。
腰痛の主な原因とは?
30~50代の女性によく見られる腰痛には、主に次のようなことが関係しています。
筋肉の衰え
運動不足の状態が長く続くと、腰の周りの血流が悪くなって筋肉が衰えます。
その結果、周辺の神経が圧迫されて痛みが出るようになるのです。
若い頃は運動をする機会も多くありますが、学校を卒業してしまえばよほどスポーツ好きな人じゃなければわざわざ体を動かそうとは思いませんよね。
しかし、体の機能を正常に維持するためにはどうしても適度な運動が必要です。
毎日少しずつで良いので、腰の筋肉がほぐれるような運動を続けてみましょう。
<腰痛予防におすすめの運動>
腰痛予防には、水泳やストレッチ、エアロバイクなどの運動が効果的です。
これらの運動は腰に余計な負担をかけることなく、筋肉をしっかり鍛えてくれるので、毎日こまめに続けていると次第に腰痛の起きにくい体になるのです。
反対に、テニスやゴルフのような腰をひねる動作の多いスポーツは向いていません。
すでに腰痛の出ている人だと症状が悪化する可能性もあるので、これらのスポーツをする場合は十分に気をつけるようにしましょう。
太りすぎや痩せすぎ
標準体重よりも太っている人は、それだけ腰にかかる負担が大きくなるので腰痛を発症しやすくなります。
また、体重の軽すぎる人は筋肉が弱い場合が多く、これもまた腰痛発症の原因になるのです。
ちょうど良い体重を維持することは、見た目を良くするだけでなく健康のためにも大切なことなのですね。
標準体重は「身長×身長×BMI標準値」によって割り出されます(BMI標準値の出し方は「体重÷(身長×身長)」)。
この値より大きく外れていると腰に負担がかかる可能性が大きくなるので、ダイエットをしたり、食べ方の工夫をしたりして、適正な体重を維持するようにしましょう。
姿勢の悪さ
長時間のデスクワーク、足に合わない靴による不自然な歩き方、片方の肩にバッグをかける癖など、姿勢が悪い状態を毎日続けることによって血流が妨げられ、筋肉が固くなって神経が圧迫されます。
1時間机に向かったら休憩をとって体を伸ばす、靴はサイズがぴったりなものを選ぶ、バッグは両方の肩に適宜かけ替えるなどの工夫をし、正しい姿勢を保つようにしましょう。
また、猫背の姿勢も良くありません。
猫背の人は体の重心が前にずれているため、どうしても腰に負担がかかりやすくなるので、できるだけ背筋をまっすぐに保つよう意識し、矯正のためのベルトやクッションなども活用しながら治す努力をしていきましょう。
立ち姿や座り姿が美しくなるので、見た目もぐんと良くなりますよ。
育児や介護
小さな子供を抱いたり、お年寄りを介護したりする時は、相手の体重を支えるため腰に無理な力がかかります。
こうして負担をかけているところへ急に力を入れるとぎっくり腰になることもあるので、できるだけゆっくり、慎重に動くようにしましょう。
また、疲れがたまっている時は無理せず誰かに助けてもらうことも必要です。
特に介護は先の見えない大変な重労働なので、他の家族やヘルパーさんの力も借りなければ自分がつぶれてしまいます。
「助けて」と声を上げることは決して甘えではないので、相談できる人を一人でも多く作り、自分だけで抱え込まないようにしましょう。
腰痛は体からのSOS! 早めの対処で悪化を防ごう
「腰が痛い」と感じたら、それは体が「もっと休んで!」とSOSを出しているのかもしれません。
ここでは主に体に関する原因について説明しましたが、ストレスによっても腰痛は発生します。
たかが腰の痛みと軽く考えず、可能な限り休息をとって自分を労わるようにしましょう。
腰痛がいつまでも治らない場合は内臓の体の異変が隠れている可能性もあるので、早めに病院で診てもらってくださいね。