
学資保険には、他の保険とは異なる契約形態をしており、独自の用語があります。学資保険に加入しようかと検討をはじめた方には、いろいろと疑問が湧いているのでないでしょうか?
中でも注意するべきなのは、契約形態です。
普通の保険では、「契約者=被保険者」という形態がほとんどで、被保険者が死亡した時の保障、入院や通院の保障など、その対象は被保険者になります。
ですが、学資保険においては「被保険者=子ども」です。子どもの死亡保障が必要だと思う親はいません。では、なぜ「学資保険」に加入するのでしょうか?
子ども一人あたりの大学進学までに必要教育資金は
幼稚園から大学まで公立(国立を含む)で進学したとしても約1000万円
幼稚園から大学までずっと私立の場合は、約2500万円かかるといわれています。
とても高額な金額になるので、長期間にわたって積み立てをするなど準備が必要だと思います。その準備の手助けをしてくれるのが「学資保険」です。
近年の超低金利時代に反して、「学資保険」は極めて高利回りの貯蓄商品です。
子どもがいる方には是非とも加入をおすすめしたい保険ですが、先にもお話しした通り、独特な用語がありますので、これから詳しくご説明します。
■「学資金」はどんなお金?
多くの学資保険は、保険料払込終了まで毎月もしくは毎年保険料を積み立てて、契約した子どもの年齢になったら、満期金を分割もしくは一括で受け取ることができます。入学時に合わせて契約しておくことで、入学初年度にかかる学資金の一部を計画的に準備することができます。
この入学時に合わせて受け取れる給付金のことを「お祝い金」や「進学学資金」または「学資年金」、「学資金」などと呼びます。
最後に一括で受け取る、もしくは学資金よりも多い金額を満期に受け取る契約をしている場合に、その給付金を「満期金」と呼びます。
▼「学資金」や「満期金」には税金がかかる?
学資保険の「学資金」の給付を受けるのは契約者です。契約者=保険金受取人となり、学資金保険から受け取る「学資金」や「満期金」は所得税の対象になります。ただし、受け取った給付金のすべてが課税対象になるわけではありません。実際には税金の支払いがない場合がほとんどだと思います。
給付を受けた年の学資金や満期金は一時所得の対象になります。
一時所得=(学資金などの給付金-既払保険料-特別控除50万円)÷2
例えば、その年の一時所得が「学資金」の50万円のみだったとして、この50万円からそれまでに支払った保険料を引き、さらに特別控除の50万円を差し引いた金額のさらに2分の1ですから、よほど高額かもしくはその年に他に一時所得がない限り、課税金はないことになります。
例えば、満期金が250万円の契約で、保険料の総額が230万円だった場合
250万円-230万円-50万円=▲30万円となり、所得税はかかりません。
ただし、「学資年金」のように毎年受け取れる契約になっていると、一時所得ではなく雑所得として課税対象となります。
雑所得=総収入金額-必要経費
雑所得の場合、2分の1にはなりませんので、どの受け取り方法がよいか、きちんと確認して加入するようにしましょう。
■返戻率って?
返戻率とは、払い込んだ保険料に対してどのくらい受取れるかの割合です。
返戻率=受取学資金総額÷払込保険料総額×100(小数点第2位以下切捨)
最近の学資保険はこの返戻率を重視した保険になってきています。
ただし、入院特約等の特約は掛け捨てとなり、主契約のみの保険料に対してどのくらい受け取れるのかという割合になります。
中でも返戻率が高い商品としては
ソニー生命 学資保険 Ⅲ型
基準学資金額40万円、総額200万円プランの場合
契約者 30歳 男性 被保険者0歳
保険期間22年満期 保険料払込期間18歳まで
月払保険料 8,392円
返戻率 110.3%
保険期間22年 保険料払込期間10歳まで
月払保険料 14,368円
返戻率 115.9%
返戻率が高い保険商品でも、より返戻率を高めるには保険料を早く支払ってしまうとよいことがわかります。
フコク生命 みらいのつばさ ジャンプ型
総額200万円プランの場合
契約者 30歳 男性 被保険者 0歳
保険期間22年 保険料払込期間 17歳まで
月払保険料 8,897円
返戻率 110.1%
■保険料払込免除特則はどういうときに機能するの?
返戻率の高い貯蓄商品のため、契約者の年齢による保険料の差額はあまりないのが特長です。ただし、契約者が亡くなったときに、以後の保険料払込を免除してもらえる特則等がついていると、契約者が高齢だと契約できない場合があります。
また、0歳(出産予定日の140日前)からおおむね6歳、かんぽ生命でも12歳までと、契約できる被保険者の年齢が決まっています。
これら「学資保険」の用語をきちんと理解して、加入を検討してください。
「学資金」や「お祝い金」など、各社で呼び名は異なりますが、意味は同じことが多いです。
むずかしくはありません。よく勉強して、子どもの未来のために学資保険に加入しましょう。