公的介護保険制度で足りる?介護費用は自分でも準備するべき?

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最近では、よく目にするようになった保険会社で販売している「介護保険」ですが、所定の介護状態になったら、公的介護保険制度を利用して、給付金が受け取れるなら、自分たちで別に準備しなくても間に合うのでは?と思っている方が、まだいらっしゃるのではないでしょうか?

実際にどのくらいの人が介護サービスを受けているのでしょうか?
厚生労働省によると、在宅で介護または介護予防サービスを受けた人は約390万人、施設で介護サービスを受けた人は約91万人(平成27年9月分)です。
また、介護期間の平均は4年と11か月となっており、体の異変やケガと比べてとても長い期間が介護にはかかることがわかります。

介護している間にかかる費用としては、家族が介護状態になったとき、住宅の改修や介護ベッドの購入等、一時的に必要になった費用として平均80万円、毎月の介護にまつわる費用として平均8万円が必要になります。

家族が介護状態になったとき、家族内で一日中お世話ができるとは限りません。その際には公的な介護サービス等が必要となってきます。

それらの費用全部を公的な介護保険で賄えるのでしょうか?民間の介護保険にも加入する必要があるのか、調べてみました。

■はじめに介護保険制度の基本知識を知ろう

介護保険とは、その名のとおり、被保険者が要介護状態になったときに給付を受けられる保険です。

現在、日本には公的介護保険制度があり、一定の年齢以上の人で、国が定める所定の状態になった場合に、本人からの申請によりその状態に応じて要介護認定を受け、その要介護度に応じた介護サービスを本来かかる費用の1割負担で受けることができます。

ただし、1割負担で受けられるサービスの額には上限があり、上限を超えるサービスは全額自己負担となってしまいます。そこで、公的介護保険制度で受けられるサービスの上限を超える介護サービスを受ける際の費用を自助努力で準備しようというのが、民間の保険会社が取り扱っている介護保険商品になる訳です。

保険会社で販売している介護保険の商品内容を見る前に、公的介護保険制度について、もう少し調べてみましょう。

■公的介護制度のしくみ

<公的介護保険制度の被保険者>

健康保険は0歳から対象となりますが、公的介護保険においては、一定の年齢以上の人が被保険者の対象となります。被保険者は第1号被保険者・第2号被保険者に分類され、サービスを受けられる条件が変わってきます。

(ただし、民間の生命保険の介護保険商品は、下記の条件に完全に連動しているわけではありません。「公的介護保険の要介護に認定されているか、要介護に相当する所定の状態」という内容で支払事由を設定していることが多く、40歳もしくはそれ以前の年齢から加入することができます。)

被保険者区分

年齢範囲

介護保険サービスを受けられる条件

第1号被保険者

65歳以上の者

原因を問わず要支援・要介護状態となった場合

第2号被保険者

40~64歳の

医療保険加入者

末期がんや関節リウマチ等の老化による体の異変が原因で要支援・要介護状態になった場合

<介護サービスを受ける場合の自己負担額>
健康保険においては、医療サービスを受ける場合、自己負担額は年収などにより1割~3割負担となっています。

公的介護保険においては、上記の被保険者が所定の範囲内で介護保険サービスを受ける場合、その自己負担割合は1割もしくは2割となっています。

▼65歳以上・一定以上所得がある方は自己負担2割

2015年8月から、65歳以上(第1号被保険者)で、合計所得金額が160万円(単身で年金収入のみで280万円)以上の人は、自己負担が1割から2割へ引き上げられました。2割負担となるのは基準以上の所得がある本人のみです。

※合計所得金額とは、収入から公的年金等控除などを差し引いた後で、基礎控除や配偶者控除などを差し引く前の金額です。

※合計所得金額が160万円以上でも、「年金収入とその他の合計所得金額」が単身で280万円未満、65歳以上の人が2人以上いる世帯で346万円未満の場合は1割負担です。
※40~64歳の人や住民税が非課税の人は所得に関わらず1割負担です。

▼高額な介護費は払いもどしがある

先に「65歳以上の一定以上の所得の人は2割負担」と書きましたが、公的医療保険が「高額療養費制度」によって毎月の自己負担額に一定の上限を設けているのと同様、公的介護保険制度も「高額介護サービス費」の制度があり、1か月の自己負担額が一定の金額を超えた場合、超過分については申請により払い戻しを受けることができます。
同じ世帯に複数のサービス利用者がいる場合には、世帯の自己負担合計額でみます。

【高額介護サービス費における限度額】(月額)

所得の区分

世帯の限度額

(1)現役並み所得者

世帯内の第1号被保険者の課税所得が145万円であり、かつ、世帯内

の第1号被保険者の収入が合計520万円(第1号被保険者が1人の

みの場合は383万円)未満である場合

44,400円

(2)一般の所得者{(1)、(3)~(5)に該当しないもの}

37,200円

(3)市町村民税非課税者

24,600円

(4)うち課税年金収入額+合計所得金額が80万円以下

個人で15,000円

(5)うち老齢福祉年金受給者など

※世帯内の65歳の人の年収で判断されますので、介護サービスを受けていない人の収入も合計されます。
※課税所得145万円とは住民税の課税所得で、基礎控除や配偶者控除など各種の所得控除を差し引いた後の金額です。
※以下の費用は高額介護サービス費の対象になりません。
福祉用具購入費や住宅改修費の1割または2割負担分、施設サービスの食費・居住費や日常生活費など、介護保険の給付対象外の利用者負担分、支給限度額を超え、全額自己負担となる利用者負担分

■公的介護保険制度でも自己負担はある

公的介護保険制度についてお伝えしましたが、それでも自己負担金額が発生することをご理解いただけたでしょうか?

そのとき、預貯金等から支払うことができれば問題ないかもしれません。ですが、生命保険会社が販売している「介護保険」は死亡保障も兼ねているので、生命保険として介護にも役立つ商品を検討してみるのもよいと思います。

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